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「こころとからだの学習」裁判を
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「こころとからだの学習」裁判を支援する
            全国連絡会の活動報告

『「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会』(全国連)の総会での決議や声明、申し入れなどの活動報告です。

「ここから裁判」提訴5周年記念集会

 −集会宣言−

 今日、私たちは「ここから裁判 提訴5周年記念集会」を開催し、今年2月に最高裁勝訴が確定した七生養護学校金崎元校長「処分取り消し請求訴訟」の画期的意義を改めて確認しました。
 2003年の金崎校長に対する都教委による校長降格を含む処分は「社会通念上著しく妥当を欠いて裁量権を濫用して発せられた違法なものであ」ることが、教育現場の判断が尊重されることによって確定したのです。
 この処分は、七生養護学校(当時)の「こころとからだの学習」を「過激性教育」と攻撃したことの一環であり、石原都政が都内の学校を行政の言いなりにさせるために、「とんでもない管理職・教師たちがいる」とのイメージを都民に抱かせるためにでっち上げられた事件であったことが明らかにされました。
 いま、石原都政のもとで、東京の学校は、卒業式・入学式を「最後の授業」ではなく教職員の精神的自由をも奪う「厳粛な儀式」にさせた「10.23通達」、職員会議での挙手・採決の禁止通達などによってがんじがらめです。都教委によって教育課程の基準は細かく決められ、教職員は子どものことや授業のことを話し合う時間は奪われ、都教委が求める報告書の作成などのために長時間パソコンに目を向けさせられています。
 2003年以前の七生養護学校の「こころとからだの学習」は、「こころとからだ」に痛みや悲しみが刻まれたこどもたちに、生きる希望と力をはぐくむ教育でした。そしてその実践ができたのは、子どもに寄り添う教職員の姿勢が尊重にされ、試行錯誤を重ねることができる自由な空気が学校にあったからです。
 私たちがこの裁判でめざすところは、学校で教職員が子どもたちに寄り添える自由と時間を取り戻し、子どもたちが「主人公」となる学校を復活させることにあります。そのためには石原知事、都教委、都議そして一部のマスコミによる謀略を暴き、心ある管理職や教職員の努力をふみにじった責任を明確にさせなければなりません。
 「ここから裁判」は、第1審の都議と都教委の行為の一部を違法とした貴重な成果を踏まえつつ、控訴審はひとまず主張の応酬を終え、証人調べに入る後半戦に入ります。
 都民・国民の皆さんの一層のご理解とご支援をいただきながら、金崎裁判に続き勝訴確定までたたかいぬくことを、集会の名において宣言いたします。

2010年5月22日 「こころとからだの学習」裁判 提訴5周年記念集会


支援全国連第5回全国総会決議

七生養護学校「こころとからだの学習」裁判の高裁勝利をめざす決議

   --子どもの権利に根ざした教育の自由を勝ちとるために--

 二〇〇九年三月十二日東京地裁一〇三号法廷において、七生養護学校「こころとからだの学習」裁判の一審判決が言い渡されました。

 判決では、?保健室での都議の行為が四七教育基本法一○条一項の「不当な支配」に当たること、?都教委は都議の「不当な支配」から教員を守るべき保護義務を怠っていたこと、?教員に対して行った都教委による「厳重注意」は裁量権を逸脱した違法行為で慰謝料を認めたことなど、画期的な勝訴を得ることが出来ました。
 被告側都議、都教委は反省の姿勢を全く見せず控訴しました。原告側も今回の判決を力としながら、「教育の自由」の侵害認定を 更に明確にすることをめざし控訴しました。
 教育の自主性、自律性、「子どもの権利」に根ざした憲法の保障する「教育の自由」について、全面的な認定を求めた、高裁での新たな闘いが始まったのです。

 事件から六年、提訴から四年の時間(とき)が過ぎました。この間、法廷での陳述や証人尋問を通し、私たちは七生養護学校がどのような子ども観をもち、学校全体としてどのような実践を創造してきたのか、検証しなおすことができました。

 障害があることゆえの厳しさ、乳幼児期に愛情が満たされなかった子どもの生きづらさなど、現代社会の状況理解と合わせて共感が広がりました。
 性の問題が、生きることに深く関わっているからこそ、正面に性教育を据えることの大事さも共通認識されていきました。

 私たちは歴史から学びました。
 性が、そして障害児・者が、為政者によって人々の分断の道具として使われるとき,行き着く先に何があるのかということを。
 私たちは、弱者や他民族を虐げることの先にある戦争への道は、決して選びません。
 人間は互いの違いを認め合い、受け止めあうことなしには、生きていけないのです。
 私たちは、たくさんの人とつながり、障害児・者の豊かな性=生の実現に努力していきます。

 私たちは「子どもの権利」、「障害児・者の権利」、「教育の自由」の実現を願う人々、よりよく生きたいと願う全ての人々と手をつなぎ、高裁勝利に向けて闘い続けていきます。

二〇〇九年十月四日

「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会第五回全国総会


控訴にあたっての声明

七生養護学校「こころとからだの学習」裁判

控訴にあたっての声明

                                2009.3.26
「ここから裁判」原告団
「ここから裁判」弁護団
「ここから裁判」を支援する全国連絡会

 七生養護学校「こころとからだの学習」裁判において、本年3月12日、東京地方裁判所(民事24部矢尾渉裁判長)が言い渡した一審判決は、都立養護学校の具体的な教育実践に対する政治介入に対し,?都議らの「不当な支配」(旧教育基本法10条1項)を認定した点、?都教委が都議らの介入から現場の教員を守らなかったことを保護義務違反と認定した点,?「こころとからだの学習」について学習指導要領違反・発達段階無視という被告らの主張を排斥して,逆に都教委の厳重注意処分を違法と断じた点,?被告らに損害賠償を命じた点で,わが国の教育裁判に画期的な一歩を刻んだものとして,評価に値するものであった。
 原告らは,判決を受け,都教委及び都議らに対し,判決にしたがい、今後は教育現場の自主性を尊重するように申し入れを行った。ところが,被告東京都及び都議らは,裁判所から断罪された違法行為を何ら反省することなく,それぞれ3月23日、25日に控訴するに至った。被告らが、東京地裁判決を受けてもなお態度を改めようとしない姿勢は,遺憾というほかない。
 原告らは東京地裁判決につき総合的な検討を重ねてきたが,同判決は,憲法の保障する教育の自由の侵害を明確に認定するところまでは踏み込んでいない点,産経新聞社の不法行為を認めなかった点など,不十分な点がある。
 そこで,原告らは,被告らの行為の違法性をさらに明らかにし,教員が子どもたちと真正面から向き合って創意工夫あふれる教育活動をすることのできる学校,こころとからだについてのびのびと学習できる教育を取り戻すために,原告側からも控訴することを決意し、3月26日同手続を行った。
 控訴審の勝利のために、全国の皆さんに一層のご支援をお願いする次第である。

以上


都教委、三都議に申し入れ

東京地裁判決勝訴を受けて被告である都教委と三都議に対して3月16日付けで申し入れ書を提出しました。

●都教委への申し入れ

2009年3月16日

東京都教育委員会
教育委員長 木村 孟様
教育長 大原 正行様

都立七生養護学校「こころとからだの学習」裁判
3/12 東京地裁判決についての申し入れ書

 去る3月12日に東京裁判で判決された「こころとからだの学習」裁判(以後「ここから裁判」という)で争われたのは、七生養護学校(現:特別支援学校)の「こころとからだの学習」に対して、古賀俊昭・田代ひろし・土屋たかゆきの三都議が「不適切」と断じて直接的に介入し、この介入を容認した都教育委員会が、かかわった教員らを「厳重注意」処分などにして、その教育を破壊した事件です。
 同判決では、3都議に対しては、同校視察に当たっての保健室での言動は、政治的介入・干渉したとして、教育基本法(旧法)第10条の禁ずる、教育に対する「不当な支配」であると認定しました。
 そして、都教育委員会に対しては、都議らの政治介入を放置し、教員を保護する義務を怠ったとして「保護義務違反」を認定しました。
 また、教員への「厳重注意」処分は、「裁量権の濫用」と認定しました。

つきましては、下記の通り申し入れますので、真摯に受け入れてくださるようお願いします。


1 控訴せず東京地裁判決にしたがうこと
2 厳重注意を撤回し原告らに謝罪すること
3 没収した教材については、「不適切教材」のレッテルをはずし、学校現場で使用できるようにすること
4 憲法・教育基本法を遵守し、教育を不当な支配から守り教育現場の教育の自由を保障するという教育委員会本来の責務に立ち返ること
5 性教育に積極的に取り組むことができる環境を整備すること
6 公開の教育委員会において本件申し入れを審議し回答すること
以上

「こころとからだの学習」裁判 原告団
「こころとからだの学習」裁判 弁護団
「こころとからだの学習裁判」を支援する全国連絡会

連絡先 日野市民法律事務所 日野市日野本町3-14-18 谷井ビル4階
Tel:042―587―3590 Fax:042―587―3599


●三都議への申し入れ

2009年3月16日

東京都議会議員 土屋敬之殿
同          古賀俊昭殿
同          田代博嗣殿

都立七生養護学校「こころとからだの学習」裁判
東京地裁判決に基づく申し入れ書

 去る3月12日、東京地裁は七生養護学校「ここから裁判」の判決を言い渡しました。
 被告である貴職の行為に関しては、教育基本法(旧法)第10条1項違反の教育に対する「不当な支配」に当たるとされ、原告である2人の養護教員への賠償が命じられました。

つきましては、同判決に基づき下記の通り申し入れます。


1 判決に従い、速やかに賠償金を支払うこと
2 控訴して指摘された行為の正当性を主張し続け、裁判を長引かせるのではなく、本来の議員活動のための指針とすること
3 都民に対して違法行為への謝罪をすること
4 今後、東京の教育のことがらを扱う場合、教育現場の声を広く、深く聞いて、少なくとも慎重な調査に基づく言動をすること

以上

「こころとからだの学習」裁判 原告
「こころとからだの学習」裁判 弁護団
「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会

連絡先:日野市民法律事務所 東京都日野市日野本町3-14-18 谷井ビル4階

    Tel:042−587−3590  Fax:042−587−3599



東京地裁判決についての声明

七生養護学校「こころとからだの学習」裁判

東京地裁判決についての声明

                                2009.3.12
「ここから裁判」原告団
「ここから裁判」弁護団
「ここから裁判」を支援する全国連絡会

1 本件は,特定の学校における具体的な教育実践に対して,政治家である都議が「不適切」と断じて直接的に介入し,これを容認した東京都教育委員会が,教員を厳重注意するなどして,その教育を破壊した事案である。
本日,東京地方裁判所民事24部(矢尾渉裁判長)は,この事案において,教育に対する不当な支配(旧教育基本法10条1項違反)を認定するなどして,損害賠償を命ずる判決を下した。

2 本判決は,以下の3点を認めた点で,教育裁判史上,画期的な判決と評価できる。

? 政治家である都議らが,政治的な主義・信条に基づき,本件養護学校の性教育に介入・干渉したことを,本件養護学校における教育の自主性を阻害し,これを歪める危険のある行為として,旧教育基本法10条1項の「不当な支配」にあたると認定したこと。

? 都教委の職員らはこのような都議の「不当な支配」から本件養護学校の個々の教員を保護する義務があったと認定し,都議らの政治介入を放置したことに対し,保護義務違反と認定したこと。

? 「厳重注意」は,一種の制裁的行為であることを認定するとともに,教育内容を理由として制裁的取扱いをするには,事前の研修や助言・指導を行うなど慎重な手続を行うべきものとしたこと。

3 七生養護学校に対する政治介入は2003年7月になされたが,その衝撃は,本件養護学校の教員,生徒,保護者にとどまらず,学校現場で教育実践をしてきた教育関係者にも影響を及ぼしてきた。本判決が,都議及び都教委の違法を断定し,次のように明確に判示したことは,このような多くの人々に勇気と希望を与えるものと評価できる。

「性教育は,教授法に関する研究の歴史も浅く,創意工夫を重ねながら,実践実例が蓄積されて教授法が発展していくという面があり,教育内容の適否を短期間のうちに判定するのは,容易ではない。しかも,いったん,性教育の内容が不適切であるとして教員に対する制裁的取扱いがされれば,それらの教員を萎縮させ,創意工夫による教育実践の開発がされなくなり,性教育の発展が阻害されることにもなりかねない。性教育の内容の不適切を理由に教員に制裁的取扱いをする場合には,このような点についての配慮が求められる。」(判決要旨)

4 本判決を契機として,本件養護学校はもちろんのこと,他の学校においても,教育の自主性が尊重されることを強く求めて声明とする。

以上



代表委員連名で裁判所への要望書を提出

東京地方裁判所民事第24部合議B係  八尾 渉 裁判長 殿

 私たちは、「こころとからだの学習」裁判を支援する30余の都道府県1000会員から成る支援する全国連絡会の代表委員です。

 私たちは、この裁判のもつ意味は極めて大きいと考えております。しかし、昨年6月の第5回口頭弁論から12月の第6回口頭弁論までの約6ヶ月間は進行協議で裁判が開かれず、その後も8ヶ月以上裁判がないまま進行協議が続けられており、裁判の実体が見えない状態が続いております。多数の事件を抱えている裁判所のご事情はある程度理解しているつもりですが、このまま1年間近くも「進行」のための協議を、非公開の場で続けることについては、裁判が公開の法廷で行われることの意味とその役割からみて、また、裁判という場を通して紛争解決を図りたいとの原告や原告支援者の思いに照らしても、正常とは言えない事態なのではないか、との思いと、加えて、証人調べにつきましても、裁判所によってあまりに狭い範囲に絞られることに危惧を抱かざるを得ず、ここに要望書を提出することといたしました。

 裁判所による原告・被告(実質は代理人)の審理方針合意へのご努力を多とするものでありますが、これ以上進行協議を続けることよりも、まず公開の法廷で証人調べを行い、主尋問・反対尋問による証言内容や証人の表情、原告・被告の生の声などを直接見聞されて、その中から争点や進行方向についてお考えいただくことが、むしろ裁判という形式を通した紛争解決の条理にかなっているのではないか、と考えます。

 裁判所はこの間の協議で、証人調べに移る方針であり、その証人については「教育の自由」への侵害かどうかに焦点を絞るべきで、代表的な証言で足りるとのご認識であるようです。去る7月31日に提出された弁護団の「意見書」では、裁判所の意向を受けて当初予定していた証人を大幅に縮小しつつも、「教育の自由」の内実と侵害の実態を示すためには必要不可欠の人選として、原告側からは7人、被告側から4人の証人の採用を求める再提案がなされました。

 「教育の自由」の内実とは、抽象的な観念の所産でなく、具体的で現実の要請に基づいたものであることを、原告側7人の証言によってぜひともご理解いただき、また、被告側証人としては、4人の採用をぜひともお願いいたしたいと存じます。

 賢明なるご判断をいただきますよう、ここに文書をもって要望いたします。

以上 2007年9月5日

「こころとからだの学習」裁判を支援する全国連絡会
代表委員 浅井春夫
安積遊歩
小山内美江子
北沢杏子
小森陽一
高柳美知子
福田雅章
堀尾輝久
松友 了
茂木俊彦
嶺井正也


10.14宣伝行動

 10月14日の明治公園での大集会参加者に向けた千駄ヶ谷駅前での宣伝行動は、13人以上の参加で、11時からなんと13時30分までの2時間半行われました。
 なぜ、そんな長時間も・・? まず、用意したチラシが1時間ほどで無くなりました。1000数百枚はあったでしょうか?その間も署名板を持った人の所には、常時2〜3人が並び、順番を待って署名していく人の多いこと多いこと。「あっ これは署名しなくっちゃ」といいながら駆け寄ってくる人も。
 チラシが切れてしまったので、全員が署名隊になろう、ということだったのですが、署名用紙の下に敷く板がありません。ありあわせの厚紙やノートにのせて訴えました。もう署名用紙も無くなりそうでしたので、急いで近くのコンビニでコピー。
 チラシが無くなってしまったので、「七生養護学校への非難は許せません」という横幕を女性2人が持ち、ハンドマイクと地声で宣伝しました。横断幕を遠くから見ると、どの署名にも3〜4人の人だかりが・・・。順番を待っての署名でした。マイクでも「たくさんのご署名ありがとうございます。お待たせしての署名に感謝しております」と言いました。
 そんな状態ですから、2時間立ちっぱなしの行動でも、もうやめるわけにはいきません。署名版が無いOさんは、並んでいる人を、比較的少ない署名版の方に案内する係を買って出ておられました。「こちらの方がすいておりますから」。ついに追加コピーした50枚の署名用紙も満杯となり、行動はしめくくられました。

署名  なんと980筆(しかも署名用紙切れでやめざるを得なくて)!
カンパ  11200円
(あまり積極的には訴えませんでしたが、Sさんの署名用紙に1000円で応じてくれた人があり、その後の人も横並びで1000円札が集中した・・・のかな?)

 行動を終えて短時間の話し合いを持ちました。「七生事件は、全国的に市民権があることがわかった」、「疲れたけれどやりがいがあったねえ」、「日野市などではもっと宣伝や集会をやらなくては」、「今回の行動の構えが小さかったかなあ」・・・といった明るい総括。行動への参加者が、当初の4人から大きく増えたことも成功の要因でした。そして何よりも教育基本法改正反対集会に集まった人々の強い関心と、支援の意思を受け止めました。
ありがとうございました。

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