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こころとからだの学習裁判

『「こころとからだの学習」裁判(略称「ここから裁判」)とはどんな裁判なのか?
このページでは、「こころとからだの学習」やそれに対する都教委の不当な介入、そして提訴までの流れをご覧下さい。
[返して下さい] [不当な介入1] [不当な介入2] [攻撃に抗して] [提訴へ]

 

不当な介入 2

1 いわれなき不当な「調査委員会報告」
 

 都議会質問からわずか12日後の2003年7月12日、都教委は一方的に盲・ろう・養護学校経営調査委員会を設置しました。七生養護学校のみならず、盲・ろう・養護学校全校を調査、8月28日に報告書をまとめました。
 この報告書によれば、都立盲・ろう・養護学校の約半数に当たる28校において、「性教育」、「学級編制」、「教職員の服務」について何らかの「不適正」な実態があったと決めつけています。
 そして、9月11日には七生養護の前校長金崎さんの1月の停職と校長から教諭への降任処分をはじめ、都立障害児学校教職員等116名の「処分」や「訓告」、「厳重注意」などを強行されたのです。
 都教委のプレス発表では、いかにも金綺さんを「性教育」を含む「問題」で処分したかのように言っています。しかし、その処分理由に性教育の文字はありません。それは、都教委自身が自分たちの行ったことが教育基本法第10条で禁じられた教育への不当な介入であることをよく認識しているからです。
 そのため都教委は、金崎さんが七生養護の子どもの実態と職場の現状に即して行ってきた学級編制の運用を一方的に「不適正」と決めつけ、それを処分理由にすり替えたのです。しかし、不適正なのは、教員定数を値切り、教室不足の解消を放置するなど、必要な教育条件整備を行おうとしない都教委の方です。

2 全都・全国に広がる不当な攻撃

 こうした不当な攻撃は、男女共同参画社会づくりへの攻撃とともに、全都・全国で起こっています。
 国会では、自民党の山谷えり子氏が、国会で性教育攻撃を繰り返し行っています。また、「新しい歴史教科書をつくる会」会長の八木秀次氏などもマスコミを通して同様の主張・攻撃をたびたび行っています。文科省もこうした動きに荷担して、性教育についての全国調査を行い、管理と監視体制を強めています。
 東京では、七生養護学校の攻撃を契機に、三都議らとそれを支援する人たちは、性教育を攻撃する集会を開き、都教委へ教材の廃棄などを求める決議をあげています。都教委は、すぐに全都の小・中学校でいっせいに性教育教材の実態調査を行いました。
 私たちは、こうした不当な動きに対して、ただちに中止を求める申し入れを行ってきました。

3 攻撃の先にあるものは……。

 こうした攻撃の先にあるものは、なんでしょうか。それは、教育を再び支配することにあります。
 教育への支配は、この国の未来を支配することに他なりません。
 そのために東京では、いま卒業式・入学式を巡っても異常な事態が起きています。 卒業式などでの日の丸・君が代の強制と性教育への攻撃、それはまさに子どものこころとからだに対する攻撃です。
 こうした攻撃と教育への不当介入によって、どの子どもも大切な主権者として人格の形成をめざす教育から、お国のために命を投げ出してもかまわないと思う人づくり、戦争する国を支える国民づくりをすすめようとねらっているのです。

3 七生への攻撃の背景にあるもの

 七生養護で激しい攻撃が行われていたときに、七生養護の「からだうた」をつかった、教育基本法の「見直し」をもとめるビラが都内の駅でまかれていました。
 「性器の名前を歌詞にした歌をからだを触りながら歌わせる学校があるそうよ。」「どうしてそんなことさせるの!人権侵害じゃない!」
 「ところが過激教師たちは『教育基本法』を盾に言うことを聞かないんだ。」
「基本法の十条に『教育は不当な支配に服することなく』とあるのをいいことに、やりたい放題なんだ」
 「子供たちが可哀相。基本法を早く変えないと大変だわ!」
と書いてあります。
 今回の攻撃が、まさに教育基本法第10条にかけられた攻撃であり、教育基本法と憲法改悪の動きとー体のものであることがよく分かります。

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