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1 2005年1月24日 東京弁護士会が都教委・一部都議らに警告 |
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警 告
−、都教育委員会は、都立七生養護学校教員に対して行った、「不適切な性教育」を理由とする厳重注意は、重大な違法があるので撤回せよ。
−、都教育委員会は、七生養護学校の性教育に関する教材一式を返還し、同校における性教育について、以前の状態への原状回復をせよ。
一、都教育委員会は、養護学校における性教育が、養護学校の教職員と保護者の意見に基づきなされるべき教育であることの本質に鑑み、不当な介入をしてはならない。
私たちは、東京弁護士会の勧告を待ちながら、性教育のこと、そして七生養護で行われた不当な介入のこと、そして攻撃のねらいについて、多くの方に知ってもらおうと、5月、6月、10月と集会を重ねてきました。また、教育基本法改悪に反対する動きや子ども中心の卒業式・入学式を守る運動とも連携して、大きな集会で積極的に発言を行ってきました。
そして、ついに2005年1月26日、偶然つけていたテレビから、うれしい知らせが飛び込んできました。東京弁護士会は、私たちの主張を全面的に認め、都教委や3都議らに対して、人権救済ではもっとも重い「警告」を出したのです。
警告全文
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2 警告にもとづく要請 都教委・都議らは無視を続ける |
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こうしたすばらしい「警告書」をもって、私たちは2月9日に都教委、都議会議長、そして各会派に、警告にしたがって速やかに是正措置を講ずるよう求める要請を行い、都庁記者クラブで会見しました。
警告書は法的強制力は持ちませんが、東京都の弁護士の悉皆加盟団体である弁護士会がさまざまな議論を経て出した結論は、法的・社会的にとても重みのあるものです。
ところが都教委と都議らは、都議会などで、「(警告書)は、一部の業界団体が出したもので、法的強制力はない。」とか、「適正に指導したまで。」など、これまでの不当な姿勢を変えようとはしていません。そこで私たちは、警告を力に、新たなたたかいをすすめることにしたのです。
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3 警告を力に、新たなたたかいへ 七生養護「こころとからだの学習」裁判 |
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2005年5月12日、私たちは東京地裁に提訴しました。
七生養護の実践は、心の痛みを抱えて生きる障がいをもった子どもたちの実態から出発しました。
子どもの痛みにどう寄り添い育めばいいのか、悩みながら、支え合いながら積み重ねてきたものでした。
教育実践は完全ではあり得ません。内容もまだ研鎌が必要だったでしょう。それでも、常に今を生きる子どもだちと真剣に向き合い、実践を創り出し支えていくことが、私たち教員・保護者の使命であると考えています。しかし、都教委と都議らは、そういった大切にしてきたものや実践の積み重ねの一切を無視し、教材を持ち去り、「不適切」と決めつけたのです。こうして七生養護で実践してきた、「生きること」に繋がる「こころとからだの学習」は、根こそぎ壊されました。
東京弁護士会の警告は、こうした不当な攻撃を違憲・違法であると断じました。私たちは、この警告を確信にして、教育への不当な支配・介入を絶対に許してはならないとの思いから、裁判に立ち上がりました。このたたかいは、子どもの学習権と保護者・教職員の教育権、そして何よりも憲法・教育基本法・子どもの権利条約を守り生かすたたかいです。
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4 教育基本法第10条(教育行政) |
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一 教育は、不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接に責任を負って行われるべきものである。
二 教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行わなければならない。
東京弁護士会の警告は、こうした不当な攻撃を違憲・違法であると断じました。私たちは、この警告を確信にして、教育への不当な支配・介入を絶対に許してはならないとの思いから、裁判に立ち上がりました。このたたかいは、子どもの学習権と保護者・教職員の教育権、そして何よりも憲法・教育基本法・子どもの権利条約を守り生かすたたかいです。
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